【著者は語る】国際ジャーナリスト・堤未果氏『政府はもう嘘をつけない』
パナマ文書に黒塗りTPP資料、五輪疑惑に都知事の辞任、異色の候補者に振り回される米国大統領選、足元では憲法改正までのカウントダウンが始まっている。大学院時代の恩師は私に言った。「ニュースに違和感を覚えたら、カネの流れをチェックしろ」 この手法は3・11後の日本が、9・11後の米国と見事にパラレルになっている事実に気づかせてくれた。あの時まとめた「政府は必ず嘘をつく」から4年、高速であふれる情報を商業マスコミがスピンする中、真実はますます見えなくなり、国内外からじわじわと危機が忍び寄っている。企業城下町と化した米国では、カネの流れを追って初めて大統領選の大局がみえるだろう。