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国民栄誉賞 記者会見速報(2)完 お互いの思い明かす 羽生棋聖「どんな記録、記憶作っていくか楽しみ」、井山十段「棋士として先を行ってくださり、心強い」

Iza 

 <国民栄誉賞授与式後の記者会見では、囲碁、将棋界の両雄について、互いの思いを聞く質問が続いた> --羽生さんに。世界を視野に入れている囲碁の井山さんへの思いを 羽生「将棋界からみると国際普及の面で2、3歩先にいっておりうらやましい。今は韓国、中国の若くて強い人がいるなかで、存在感ある棋士として活躍してほしいと願っている」 --羽生さんに。将棋界でも若手の活躍が目立つ。今週末の藤井聡太五段との対局(朝日杯将棋オープン戦)についての心境を 羽生「以前からなんとなく、きょうの日が終わったら一息つけるんじゃないかと思っていたが、まったくそんな感じではなくなってしまって…。藤井さんとは公式戦では初顔合わせということであり、お客さんの前で指す公開対局でもある。張り切って、土曜日の対局を心待ちにしている」 --それぞれの世界で頂点に立たれた 羽生「井山さんは七冠制覇を2回されて、維持されて現在進行形で囲碁の歴史を作られている。その方と同じタイミングで名誉ある賞をいただき、うれしい。この先、どんなふうな記録、記憶を作っていかれるのか、一ファンとして楽しみです」 井山「囲碁を始めたときに、(羽生先生は)七冠になられた。将棋界を超えて、希望、夢を与えられた人。年月がたった今もトップで勝ち続けておられる棋士としての尊敬は(言葉では)言い表せない。自分がどういう棋士になれるか分からないが、先を行ってくださる羽生先生がいらっしゃるので、心強い。自分もそうあれたらいいな、と思う」 --井山さんは今後も、伸びしろがあると語っていたが 井山「将棋界もそうかもしれないが、AI(人工知能)の登場もあり、碁の内容が変わってきている時期。自分たちが正しいと思っていたことがどうなのか。自分も、碁を打っていて正解という手はなく、いろんな面で少しでも成長したい、分かるようになりたい。世界のトップ棋士と戦っていると、自分にないものを持っていると感じる。自分のいいところを伸ばしていければいい。世界でいい戦いをすることで、普及につながれば」 --授与決定後、心境の変化はあったか。首相官邸での緊張感は 羽生「たくさんのお祝いのメッセージやお花もいただいた。反響の大きさに、たいへんな賞をいただくことになったのだなあと実感した。今まで賞を受けることは、かなりあった方だが、きょうはちょっと緊張しました」 井山「なかなか実感わかない日々が続いていた。対局もあり、考える余裕もなかったが、きょうの日を迎えることができた。今後もこの賞を励みに、ただあまり意識しすぎず自分のペースでやっていきたい」 --長い歴史のなかで、特筆すべき強い人が同時代に2人いる。必然か、偶然か 羽生「世代としては異なっている。勉強する方法、環境、私が育ってきた環境とは少し違う。どんな違いを生んでいるのか、機会があれば井山さんに聞いてみたい」 井山「囲碁を覚えたとき、七冠だったのが羽生さん。まさか(自分が)プロになるとも、七冠を達成できるとも思っていなかったので、自分自身驚いている。七冠が不可能でないことを、先に羽生さんが示された。支えのようなものになった」 --それぞれの強さとは? 羽生「ほかの囲碁棋士と話したとき、『人が思いつかないような独創的な手が出る』と。独創的な手と、結果を両立させるのは非常に難しいと、勝負の世界で感じる。井山さんは長い年月かけて続けているのが驚きで、それが強さなのではないか」 井山「これだけのことを成し遂げ、長い年月続けてこられた方。向上心、新しいことに挑戦する姿勢を持ち続けているのがすごい。そうなれたら、と思わせる存在です」 --安倍首相から「国民に夢と感動を与えた」との言葉があった。今、平昌五輪で戦っているアスリートがいる。期待している選手はいるか。(同じ名字の)フィギュアスケートの羽生結弦選手にエールをいただけたら 羽生「4年に1度、この一瞬、一回にすべてをかける思い、気持ちというのをみていると、たいへんな集中力を費やしているんだなあと。悔いなく全力出し切ってほしい。羽生(はにゅう)選手は読み方は違うんですが親近感を持っている。すばらしい演技をみせてくれるのではないかという期待を膨らませてくれる選手で、芸術的な滑りをみせてくれることを楽しみにしている」 井山「4年に1度のために長い年月を費やしてこられた。囲碁は1つ負けても、次がすぐ来る。気持ちも立て直しやすいが、なかなか4年という期間では、“じゃあ次も”とはなれるものではない。一瞬にかけるすごみ、背景があっての選手のパフォーマンスを見るのは、感動する。スポーツを見るのは好き。ただ楽しみではなく、すごさを感じながら、興味深く拝見している」 --若手棋士に伝えたいことは 羽生「将棋の世界は早いサイクルで若い人たちが出てくる。新しい人たちが出てくる可能性は常に存在し、たくさん出てくることが、歴史の継続につながる」 井山「囲碁も若手の成長が著しい。下の世代と戦うことが増えてきた。大変だが、日本囲碁界としては頼もしく、世界をみたとき、そういう人たちが出てくることは喜ばしい。なんとか先頭に立って、世界に引っ張っていけるよう、努力しないと」 --不調のときをどう乗り越えるか 羽生「うまくいかないとき、結果が出ないときは、実力の場合もある。また一生懸命努力して次の機会をうかがう。やってることは間違っていないが形になっていないときは、気持ちを切り替えて、モチベーションが下がらないようにしている」 井山「よく負ける世界。一つの勝ち負けにこだわりすぎないようにしている。負けるには原因があるので、反省は怠ってはいけないが、気持ちを長く引きづらないように、次に向かっていくのが、長い期間やるうえでは必要なのかな」 --互いとご自身、似ているところ、違うところは 羽生「デビューしてタイトルを取って勝ち上がるプロセスは共通しているが、井山さんは私の記録よりさらにすごいことを成し遂げている。思いつかないような独創的な手を打つ、指し続けるというのは、私と違うところかな」 井山「これだけのことを成し遂げられても、一つの型にはまらず挑戦されている。(自分が)そうありたいと理想とする姿です」(終)

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